2012/04/06

 化粧直しの為に出した手鏡かと思わせつつ、ところ構わず歯磨きを始めたオバサンは色鮮やかなスカーフを頭に巻いていた。その無遠慮な色味が当の本人の行動を象徴しているかのようで、外のテラス席で愚行に勤しむ彼女を凝視していたら目が合ってしまった。なんとも気まずい。テラス席で手鏡を口元に向けてシイシイ言いながら歯磨きをするオバサンと目が合うことなどそうそうない。「ご苦労様で〜す」的なお銚子モノ風の目配せだけを残して、急いで目を反らしてしまった自分の小ささが哀しい。

 桜がいよいよ花開いた花開いたなんて喜んだのも束の間、今日もスタバでは何冊も雑誌類を席に積み上げながら、ワンセグで何かの番組を見ている愚か者に遭遇した。しかしスタバとTSUTAYAが併設している店舗の大いなる疑問は、何故に買ってもいない書籍、ましてや雑誌類までも持ち込みOKにしているのか?ということ。悠々とコーヒー呑みながら立ち読みならぬ、堂々とした座り読みの嵐を奨励しているのだから。実に解せぬ。その本を作っている人たちは決して本意ではないと思うのだけど…。その贈与関係、というか利益配分?一体誰が得をしているのかと言ったら一杯¥340のドリップコーヒーで新刊読み放題のワタシクですから。