2012/06/30

 

上野不忍池には趣のある野外音楽堂がヒッソリとある。週末、友人の口利きでこの会場に足を運んでJesse Harrisの演奏を聴いて来た。家族と友人夫婦を連れ立って訪れたら会場にも久方ぶりではあるが、良く知った友人夫婦がいた。さて、その土曜日は生の牛レバーが喰える最後の晩である。ここで重要なのは「牛」という言葉であって、すなわちどっかの馬鹿業者が不衛生な牛の生肉を客に提供して集団食中毒を起こた騒動は「牛」であったから、ここに「豚」「鶏」は該当しない。そして、平素小生が好んで食する生レバーというのは大概「豚」のそれである訳だから、「牛」の生レバーが食べれなくなったところでさして痛手はない。とすると「牛」のレバーが食べられる最後の晩餐だからといって鼻息荒く焼き肉屋に駆け込み、開口一番「すいません生レバーひとつ!」などと叫ぶ愚行に及ぶのも甚だ大人気ない。ならばと、皆ぞろぞろ大挙して上野広小路を闊歩しながら適当な居酒屋の暖簾をくぐるに至った。なんの変哲もない安居酒屋といった風情のその店がこれ非情に良かったのだ。何年かぶりに「呑み放題」という人を駄目にする割安メニューに飛びついてしまい、早々に駄目な人間に仕上がってしまった。呑み過ぎた翌日の掌は何ともいえない異臭を放つ。是非自分のを嗅いで検証頂ければと思う。